精油も農産物です。地産地消したいですし、生産者の顔が見えると安心です。
アカエゾマツとトドマツ精油を蒸留している北海道陸別町にあるタネラボの日向さんの精油は、私はお人柄をよく知っていますので、特に安心しておすすめできます。
この記事は、国産の精油、ましてや北海道の精油は少ないので、私が住む北海道の精油を蒸留し販売している方を応援したいという想いで書いています。
国産の精油は少ない!
私は、アロマテラピーインストラクターとして活動しており、アロマテラピーのテキストに沿って講座をしていますが、テキストに載っている精油は外国産の精油ばかりです。
海外ではクレオパトラの時代から香りが用いられていましたが、日本ではアロマテラピーの歴史が浅く、日本にアロマテラピーが広まってから20数年しか経っていないことが理由の1つだと思います。
また、今では日本でもアロマテラピーの認知が広がり、一般的なものになっていますが、日本で精油を使う人が増えても、日本の精油をたくさん作ることはできないことも理由です。
精油は植物によって含有量が異なり、どの植物からも精油が採れるわけではなく、精油を含有している限られた植物からのみ抽出することできないのです。
日本で精油が抽出されている代表的な植物は、ヒバ、クロモジ、ゲットウ、ヒノキ、スギ、ユズ、ミカン、モミ、和ハッカ、ヨモギなどです。
北海道産の精油はもっと少ない!
明治時代に北見でハッカの生産が始まり、昭和30年代から富良野でラベンダーの生産が始まったこと、森林が多いことなどから(全国の森林面積に占める北海道の森林の割合が約20%)、北海道は精油を抽出する環境には恵まれていると思います。
それでも、北海道産の精油は少ないです。
天然の香料は高価なため、合成の香料が一般に使われます。また国産のものよりも、輸入品の方が安いため、国産の香料を作る農家はごくわずかしかいません。
私が知り得る範囲ですが、北海道産の精油で有名なのものは、富良野市のファーム富田のラベンダー、下川町のフプの森のモミ・アカエゾマツ、弟子屈町のパイングレースのアカエゾマツ、ニセコ町のHIKOBAYUのトドマツ、滝上町のさばいでぃ農園の和ハッカなどです。
私がおすすめする北海道産精油はトドマツとアカエゾマツ
トドマツもアカエゾマツも、北海道を代表する木です。
私がこの2つの精油をおすすめする理由は、木から抽出される精油は、森の手入れの際の間伐材を使っているため、環境保護、資源の有効活用などを目的として抽出していることが多いからです。
自然環境があってこそ、アロマテラピーを楽しむことができます。
そのことを忘れず、精油選びをされる方が増えたらとても嬉しいです。
北海道に自生する木、トドマツとアカエゾマツとは?
トドマツは北海道を代表する木で、日本ではほぼ北海道のみに自生しています。
北海道の森で一番ポピュラーな針葉樹なので、北海道の森の香りはトドマツと言っても言い過ぎではありません。
一方、アカエゾマツも北海道の代表的な木のひとつで、 「北海道の木 」に選ばれています。
トドマツもアカエゾマツも、北海道を代表する木ですが、希少性が異なります。
アカエゾマツは高級なピアノやバイオリンに使われていますが、資源が枯渇してきていて、今は北海道の針葉樹全体の4%~5%程しかないようです。
アカエゾマツは、他の木は育つことができないような風の強い場所、痩せた高層湿原を好む上、生育が遅いため、数が少ないのです。
トドマツ精油とアカエゾマツ精油の香り
トドマツもアカエゾマツもマツ科で、マツ科は森林浴をイメージする香りです。
トドマツ精油
・森のようなさわやかな香りの中に、どこか力強さを感じるツンとした香りです
・呼吸の乱れを整えてリラックスさせてくれたり、殺菌作用があることから風邪やインフルエンザの時期に香らせて使います
アカエゾマツ精油
・アカエゾマツは、風雪から身を守ってくれる木だったことから、アイヌの人々は「女神の木」と呼んでいたそうです
・アカエゾマツ精油は、深い森に抱かれるような優しい香りと言われています
・心を落ち着かせる、優しくてしっとりとした香りです
・高い抗菌作用で喉の痛みを抑えたい時や、空気や気分をリフレッシュし、ストレスを和らげたい時などに使われます
トドマツは、アカエゾマツに比べて精油成分を多く含みます。精油の含有量はアカエゾマツの5倍以上です。
アカエゾマツは木自体が少ない上、精油の含有量も少ないので、高価で希少な精油です。
希少なアカエゾマツ精油が北海道陸別町でも抽出されています!
陸別町の「種を育てる研究所(タネラボ)」で精油の販売が2021年3月20日にスタートしました!
種を育てる研究所(タネラボ)は、地域おこし協力隊として陸別に移住した日向さんが設立
陸別町に地域おこし協力隊として移住し、陸別町の薬用植物を使ったお茶やお菓子の商品開発、観光や地場産品の情報発信をされてきた日向さんご夫婦。
2021年に協力隊の任期を終え、「種を育てる研究所(タネラボ)」を設立されました。
「種を育てる研究所」は、自家製の薬用植物(ハーブ)で食品や化粧品を開発・販売をされている他、陸別町産の精油の販売をしています。
日向さんは、地域おこし協力隊をされている時に、町有林のトドマツやアカエゾマツから精油や蒸留水を抽出されていた経験を生かされ、協力隊の任期後も精油の蒸留を続けています。
陸別町産の精油がなくなるのでは?と心配したことも・・・
私は、日向さんが協力隊をされている時に、陸別町で「精油を使ったキャンドルのワークショップ」のご依頼をいただき、それがきっかけで、日向さんの精油を知りました。
(私はキャンドル講師・作家もしています)
その後も、日向さんが蒸留されたトドマツとアカエゾマツ精油入りのキャンドルを、陸別町からのご依頼で制作させていただく機会をいただき、常に陸別の精油の香りに包まれる生活をしていたので、すっかりトドマツ精油とアカエゾマツ精油の魅力にハマってしまいました。
なのに、日向さんの協力隊の任期は長くないことを知り、任期が終わった後は「陸別産の精油は無くなってしまうの?」と、とても心配していました。でも、日向さんが陸別に残って事業を始められたおかげで、陸別産の精油を使い続けられることになり、ほっとしました。
日向さんと、日向さんの精油「りくべつのかおり」のご紹介
陸別町を含め、何カ所か体験移住をした中で、人の良さや景色の良さから陸別を選ばれた日向さん。
日向さんは北海道大学で博士課程を修了後、大手製薬会社で薬の研究をされていたので、蒸留や抽出、成分の特徴の分析などは得意分野だそうです。
林業が主産業の陸別町は、トドマツやアカエゾマツが豊富で、精油を抽出する環境が整っていました。
十勝産の精油は意外にもないことに目をつけ、チャンスを感じ、精油の蒸留を始められたそうです。
日向さんの精油は、間伐材を全て一人で手作業で、ひとつひとつ枝葉を見ながら行っているそうです。
日向さんの確かな目で選別された、確かなトドマツとアカエゾマツの枝葉から抽出された精油=「りくべつのかおり」の品質は確かです。
アカエゾマツ精油を扱うところは本当に少なく、希少で価値があります。
食べ物だけでなく、精油も地産地消を!
農産物を地産地消すると、運ぶ距離が短くて済むため、輸送中に出る排出ガスが少なくなります。
なにより、地元でとれたものを旬の時期に新鮮なうちに食べると美味しいし、体にも良いというのが最大のメリットです。
私は精油も同じだと考えています。
地元の植物から抽出された精油は、フレッシュで香りが良く、体に良い作用をもたらすと考えます。
砂糖を選ぶとき、『北海道の人は北海道産のビートを使った「てんさい糖」、沖縄の人はさとうきびから作った「きび糖」を選ぶと体に良く働く』とお料理教室で習ったことがあります。
精油もできるだけ地元産のものを上手く使う方が、その土地の人の体に合っているのでは?と思うのです。
外国にしかない植物もありますので、外国産の精油ももちろんよいですが、日本人として、日本の香りも楽しみたいですよね。
作っている人の顔が見えるものは、食べ物も精油も安心です!
日向さんのアカエゾマツ精油・トドマツ精油「りくべつのかおり」購入先
北海道大学、十勝ヒルズ、真鍋庭園、カフェBuHo帯広店、中村屋で購入可能です。
そして、当教室のネットショップからも「りくべつのかおり」がご購入いただけます。